音楽というコミュニケーション【アーティストインタビューvol.4大園真斗】
今回インタビューを受けて頂いたのは大園真斗さん。
彼は「シンガーソングライター」ではなく、「音楽家」。
「音楽家は、音楽全体をプロヂュースしたいという思いに一番最適な言葉だと思いました」
今回はそんな音楽家としての大園さんにお話を伺いました。
「歌を歌う人になりたい」
「父親を怖いと思っていて、全然話もしていなかった」
小さい頃、父親とは良好と言えない関係でした。
それでもただ一時だけ、会話をする時間があったそうです。
「父親が音楽を流している時は、父親の機嫌がよく、『いい曲でな』『うん』程度の会話はしていました」
普段話さない父親とは、音楽を通じたコミュニケーションをとっていたようです。
そんな事もあり、小さい頃から音楽というものを意識する様になりました。
「コブクロが好きで、小学校の時に『歌を歌う人になりたい!』と思いました」
そんな大園さんは中学校で吹奏楽部に入り、打楽器と作詞を始めたそう。
そして高校に上がるとギターと作曲も始めました。
「高校2、3年の時は自分で作曲した曲を、学校の定期演奏会で披露していました」
これは驚きです。
「先生がよかった・・・」と謙遜される大園さんですが、当時からその能力を発揮していたようです。
社会人となった今でも、働きながら音楽活動を続けています。
「本当は音楽メインでやりたいけど、今は資金を集めています・・・」
「自分のフィルターを通して思った事を言葉にする」
「作詞は自分のために作っています。誰かの為は得意じゃないです」
誰かの人生を100%知っているわけじゃない。
だから、100%知っている自分の人生というフィルターを通して、大園さんは曲を作っています。
けれど、そんな彼の曲は私達が思わず共感してしまう詞ばかりです。
「自分の為に作った方が、誰かに届く」
作詞をしている最中には既に音のイメージが浮かんでいるそう。
その音の中から自分にしっくりくるものを選び、歌を作っていきます。
「音楽が無意識に頭の中に流れてきます。それらを表現して、共感してくれたら嬉しいなと思っています」
そんな大園さんはツイッターやYouTubeを中心に活動しており、その言葉に共感してくれているファンも多くいます。
「こんな赤の他人にリアクションしてくれてありがたい・・・」
オンライン上のみの繋がりであるからこそ、その反応が嬉しいと語る大園さん。
電話越しからでも、ファンに対する感謝の気持ちが伺えました。
「作曲にはこだわっている」
作詞作曲の全てを一人でやっている大園さん。
それらに対する思いは想像以上にストイックなものでした。
「曲は全部一人で作りたい。その方が納得出来るし、追い込める」
詞を作る時はずっと考えているという大園さんは、その言葉の形でけでなく、意味の部分に注力しています。
「頑張れ!という言葉は、形式だけであまり意味がないので、好きじゃないです」
作詞作曲は楽しいですかと尋ねると、「楽しい反面、ポジティブじゃない歌詞の時は自分を追い込んでしまいます。どうやったら正確に伝わるのか」
伝える、という事にただならぬこだわりがある様子です。
それはドラムを叩く際も同様です。
「どうやったらこのドラムがイメージ通りに鳴ってくれるのか。ダメだったらダメな音がなる。音とのコミュニーケーションですね」
音楽を通せば楽器とも会話をする事が出来ます。
もちろん、他の人とも。
自分の言葉を、世界を、音楽として表現することには一切妥協を許さない厳しさ。
そこには、こだわりを超えた執念の様なものを感じます。
自分を音楽として伝えるという執念。
一体何が彼を音楽へと駆り立てるのでしょうか。
「会話が得意じゃない、言いたいことが言えない」
「実は、あまり会話が得意ではないんです。質問されると考えてしまって、一拍置いてしまうんです。コミュニケーションを取るのは楽しくもあるけれど、疲れてしまうんです。」
そう言われるまでは意識していませんでしたが、確かに応答までに少し間がある様にも感じました。
しかし、それは同時に適当な言葉に妥協せず、自分というフィルターで言葉を精査している様にも感じます。
続けて、そのフィルターから言葉が流れてきます。
「音楽を通して、現実では言えない思っている事を伝えたい。音楽は自分の考えをちゃんと出せる場所です」
それは、決してありきたりで、適当ではない、大園さんというフィルターを通った言葉です。
普段言えない頭の中で考えている事を、世の中に音楽を通して伝える。
大園さんにとって音楽とは、なくてはならない存在の様です。
「承認という夢」
「メディアに出て、より多くの人に自分というフィルターから出た言葉を共有したい」と語る大園さん。
その執念が彼を夢へと駆り立てます。
「自分の考えが間違っていなかったんだと、他人に認められたい。誰かに分かってもらいたい。だから、外に出しているのかも・・・」
承認。
これが大園さんの音楽に対する執念の正体でした。
大園真斗さんというフィルターを通して発せられる言葉は、音楽という形で世の中に語りかけていきます。
まるで彼の父親が音楽鑑賞を通して息子である彼に、少ないながらも語りかけていた様に。
彼の言葉に、彼の詞に、惰性はありません。
大園さんの
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